自社サイトの1年分を、ページ単位で調べ直しました。いちばん時間をかけて作った料金ページが、検索結果に3,483回出て、クリックされたのは19回。順位は44位と55位でした。「書き直さないといけない」と判断しかけました。
ところが、そのURLを開いてみたら別のページに転送されました。7月のリニューアルで、自分が消したURLでした。1年分をまとめて見たせいで、今はもう存在しないページの成績を、現役ページのものとして読んでいたのです。
この記事では、ページ単位で数字を見る手順と、その途中で私が踏んだ落とし穴を、実際の数字のまま書きます。
訪問者数を見ても、直す場所は分からない
アクセス解析の画面を開くと、まず全体の訪問者数が出ます。先月より増えた、減った。多くの方はここで終わります。私もそうでした。
ただ、この数字からは次の行動が出てきません。増えていれば安心し、減っていれば心配するだけで、どのページをどう直せばいいのかは何も分からないからです。
今回やったのは、全体の数字をいったん脇に置いて、ページごとに「見られた回数」と「実際に来た回数」を並べることでした。この2つを並べると、力の入れどころが自分の想定とずれている場所が出てきます。
使う道具は2つ。役割がまったく違う
作業に使うのは次の2つです。名前が似ていますが、記録している場所も中身も別物です。
| 道具 | 何が分かるか |
|---|---|
| Search Console(サーチコンソール) | 検索結果に出た回数、その中でクリックされた回数、何位に出ていたか。サイトに来る手前の話 |
| GA4(アクセス解析) | サイトに来たあとの話。どのページから入り、どれくらい読み、どこから来たか |
「検索で見られているのに来ない」はSearch Consoleで分かります。「来たのに読まれていない」はGA4で分かります。この順に見ていきます。
用語は3つだけ覚えれば足ります
- 表示回数:検索結果に自分のページが並んだ回数。見られただけで、来てはいません
- クリック率:並んだうち何割がクリックされたか。表示回数100回でクリック3回なら3%です
- 平均掲載順位:検索結果の何番目に出ていたかの平均。10位までが1ページ目、それ以降は2ページ目です
【手順1・Search Console】表示されているのにクリックされていないページを探す
Search Consoleを開き、期間を過去12か月に広げて「ページ」の一覧を出します。表示回数の多い順に並べ、表示回数は多いのにクリックが極端に少ない行を探します。
自社サイトで出てきたのがこれでした。
| ページ | 表示回数 | クリック | 平均掲載順位 |
|---|---|---|---|
| 会計ソフトとAIの導入支援(解説記事) | 9,351 | 245 | 8.6位 |
| トップページ | 2,596 | 160 | 15.8位 |
| 会社概要 | 1,561 | 66 | 6.6位 |
| ホームページ制作の料金 | 1,869 | 13 | 55.2位 |
| EC制作の料金 | 1,614 | 6 | 44.3位 |
下2行が料金ページです。合わせて3,483回表示されて、クリックは19回。クリック率にすると0.5%です。上の解説記事が2.6%ですから、5分の1しかありません。順位も44位と55位で、検索結果の5ページ目あたりにいます。
ここまで見て、私は「料金ページを書き直そう」と決めかけました。料金は、頼むかどうかを決める最後に見られるページです。そこに誰も来ていないのは痛い。
ただ、書き直す前に現物を見ておこうとURLを開きました。ここで話が変わります。
【落とし穴】その数字は、すでに消したURLのものだった
クリックしたら、別のアドレスに転送されました。7月のサイト全面リニューアルで、この2ページのURLを変更していたのです。古いアドレスは新しいアドレスへ自動で転送する設定にしてあり、これは正しく動いていました。
| 古いアドレス(もう無い) | 今のアドレス |
|---|---|
| /website-production-fee/ | /online-sales/homepage/ |
| /ec-site-production-package-fee/ | /online-sales/ec-site/ |
つまり、私が見ていた「3,483回表示・19クリック・44〜55位」は、ほとんどがリニューアル前の成績でした。すでに存在しないページの数字を、今直すべきページのものとして読んでいたことになります。
なぜこうなるのか。転送を設定しても、Googleが新しいアドレスに切り替えるまでには時間がかかります。自社の場合は約2か月でした。その間、検索結果には古いアドレスが出続け、Search Consoleにも古いアドレスとして記録が残ります。1年分をまとめて見ると、この期間が混ざります。
新旧を並べ直すと、まったく違う姿が出てきました。
| ページと期間 | 表示回数 | クリック | 平均掲載順位 |
|---|---|---|---|
| 古いアドレス/12か月 | 1,869 | 13 | 55.2位 |
| 古いアドレス/7月17日〜9月15日 | 286 | 0 | 64.2位 |
| 古いアドレス/9月前半 | 検索結果から消えた | ||
| 今のアドレス/9月前半 | 14 | 0 | 18.0位 |
順位は55位から18位へ上がっていました。リニューアルしたページの方が、Googleに評価されています。書き直しが必要という判断は、まるで的外れでした。
ただし、素直に喜べる話でもありません。表示回数が月150回前後から14回に減っています。理由もはっきりしています。新しいページは見出しを「枚方市・交野市のホームページ制作」に変えました。地域名を前に出した分、「ホームページ制作 料金表」のような全国向けの言葉では出なくなったのです。古いページはその言葉で363回表示されていました(ただし66位で、クリックはほぼゼロでしたが)。
地域で戦う判断そのものは、地図表示で2位を取れている現状と合っています。ただ、地域の検索数は小さい。「枚方市 ホームページ制作」は9月前半で表示8回でした。検索だけで問い合わせを増やそうとするのは、この規模では無理があると考えた方が現実的です。
ここが今回いちばんの収穫でした。ここで手に入ったのは、直すべきページではありませんでした。自分の数字の読み方が甘かったという事実です。
【手順2・GA4】入口になっているページを見る
次に、サイトに来た人が最初に開いたページを調べます。GA4では「ランディングページ」と呼ばれます。訪問者数の多いページではなく、入口になっているページです。
| 入口ページ | 訪問回数 | じっくり読まれた割合 |
|---|---|---|
| トップページ | 464 | 61.2% |
| 問い合わせページ | 243 | 70.0% |
| アフィリエイト機能の解説記事 | 100 | 56.0% |
| 会社概要 | 83 | 61.4% |
| 会計ソフトとAIの解説記事 | 80 | 31.3% |
ここで2つ気づきました。
1つは会社概要が4番目に来ていることです。法人相手の仕事では、依頼する前に「この会社は実在するのか、どのくらいの規模か」を確かめます。読まれているのは自然な行動で、ここが雑だと問い合わせ前に落ちます。
もう1つは問い合わせページに直接来る人が243回もいることです。うち227回は、検索でもSNSでもなく、URLを直接開いています。ふつう、問い合わせページは他のページを見たあとにたどり着くものです。いきなり開く人がこれだけいるのは自然ではありません。営業目的の一括送信が混ざっている可能性が高いと見ています。
【手順3・GA4】どこから来た人が、よく読んでいるか
流入元ごとに、数と「読まれ方」を並べます。数が多い順に見るのではなく、1回あたりの滞在時間と並べて見るのがおすすめです。
| どこから来たか | 訪問回数 | 平均滞在 |
|---|---|---|
| 直接アクセス(URL入力・名刺・紹介など) | 703 | 99秒 |
| 検索 | 546 | 139秒 |
| 他サイトからのリンク | 81 | 183秒 |
| SNS | 34 | 24秒 |
| AIアシスタント(ChatGPT・Geminiなど) | 18 | 304秒 |
いちばん下に注目してください。ChatGPTやGeminiの回答からサイトへ来た人が、5分以上読んでいます。全ての流入元の中でいちばん長い時間です。件数はまだ18回ですが、AIに質問して出てきたリンクを踏む人は、すでに困りごとがはっきりしている状態で来ます。読み方が違うのは当然かもしれません。
逆にSNSは24秒でした。投稿を見てサイトへ送っても、ほぼ読まれずに戻っています。SNSでの見せ方を考え直すか、SNS上で完結させるかの判断が要ります。
他サイトからのリンクは81回と少ないのですが、183秒読まれています。誰かが紹介してくれた経由で来る人は、最初から関心があるということです。
【手順4・Search Console】社名以外で勝てている検索語を見る
検索語の一覧を出すと、たいていは社名がいちばん上に来ます。自社でも「メディレクション」「株式会社メディレクション」で合計93回クリックされていて、これが最多でした。
ただし社名で検索する人は、すでにこちらを知っている人です。名刺を見た、紹介された、以前会った。新しい出会いではありません。そこを除いて見ると、景色が変わります。
| 検索語 | クリック | 平均掲載順位 |
|---|---|---|
| 会計ソフトとAIの連携(3種類の言い回し) | 29 | 6〜9位 |
| 特定のネットショップ向け機能の名前 | 20 | 4〜7位 |
どちらも、実際に受注している仕事と一致していました。そして順位が4〜9位です。すでに1ページ目に入っているので、あと少し押せば伸びる位置にあります。ゼロから新しいキーワードを狙うより、ここを厚くするほうが早いと判断しました。
分かったことと、決めたこと
1年分を見て、次の順で手をつけると決めました。
- URL単位で数字を見るときは、転送がかかっていないか先に確かめる。今回いちばん学んだのはこれです。確かめずに書き直していたら、すでに直っているページに手を入れるところでした
- ECサイト構築のページを検索に出るようにする。今のアドレスでの表示が1年で2回。事実上、検索結果に存在していません。地域名だけでは拾われないので、扱う範囲を本文に具体的に書きます
- 問い合わせページへの直接流入の中身を確かめる。営業なのか本当の相談なのかで、対応がまるで違います
- 勝てている検索語を厚くする。すでに4〜9位にいるものを優先します
訪問者数を眺めていたときには、この4つはどれも出てきませんでした。
つまずき早見表
| こうなったら | 原因 | どうするか |
|---|---|---|
| 成績の悪いページが見つかった | すでに廃止したURLかもしれない | 手を入れる前にそのURLを開く。別のアドレスに転送されたら、それは今のページではない。自社ではGoogleが切り替えるのに2か月かかりました |
| Search Consoleの数字が、月ごとの合計と一覧の合計で合わない | 一覧の取得件数に上限があり、途中で打ち切られている | 取得する行数の上限を上げる。自社では上限のせいで、12か月のはずが100日分しか集計されず、月次が実際の3分の1になっていました |
| 前年と比べたいのに比較が出ない | Search Consoleは16か月より前を保存していない | 1年より前との比較はあきらめる。毎月の数字を自分で残しておく |
| 表示回数は多いのに順位が40位以下 | 検索する人は多いが、自分のページは評価されていない | 表示回数の多さを成果と取り違えない。順位が20位より下なら、ほぼ見られていないと考える |
| 入口ページの一覧に「(not set)」が出る | 入口を特定できなかった訪問 | そのまま無視してよい。無理に解釈しない |
正直に書いておくこと
- この記事は、一度まちがえた判断を書き直したものです。公開時は「料金ページが検索から届いていないので書き直す」という結論でした。そのあと転送の設定に気づき、前提から確かめ直しています
- この1年は、途中の4か月分の記録が欠けています。アクセス解析が止まっていたためで、その経緯は別の記事に書きました。GA4の数字は「記録のある245日分」です
- 訪問回数は多くありません。1年で1,390回です。数の少ない項目を細かく解釈しても意味がないので、この記事では傾向がはっきり出ているものだけを扱いました
- 成果(問い合わせ数)との結びつきはまだ出せません。問い合わせ完了を記録する設定を入れたのが2026年9月18日で、それ以前のデータがないためです。「どの流入元が問い合わせにつながるか」は次回に持ち越しです
- ここに書いた判断は自社サイトの話です。業種や規模が違えば、見るべき場所も変わります
要点
- 訪問者数の増減を見ても、直す場所は出てこない。ページごとに「検索で出た回数」と「クリックされた回数」を並べると出てくる
- ただし、成績の悪いページを見つけたら、手を入れる前にそのURLを開く。サイトを作り替えていると、すでに廃止したページの数字が残っている
- 社名での検索を除いて見る。残ったものが、本当に新しい人を連れてきている言葉になる
自社サイトでやってみて、直すべき場所より先に、自分の数字の読み方の甘さが出てきました。同じ見方は、どのサイトでも1時間ほどでできます。自社では何が起きているのか気になる方は、お気軽にご相談ください。