2026年9月18日、自社サイトのアクセス解析を点検したところ、3月19日から7月16日までの120日間、訪問者の記録が1件も残っていませんでした。約4か月です。その間もサイトは動いていましたし、問い合わせも届いていました。記録だけが無かったのです。
この記事は、気づいたきっかけと、同じことが起きていないかを5分で確かめる方法をまとめたものです。自分の失敗談ですが、めずらしい事故ではないと思ったので書き残します。
止まっても、画面はいつもどおり表示される
今回いちばん怖かったのは、止まったことを誰も教えてくれない点です。
アクセス解析の画面を開いても、エラーは出ません。警告も出ません。グラフはきれいに表示されます。ただ、数字が少ないだけです。「今月は少なかったな」で済ませてしまえば、そのまま何か月でも過ぎていきます。実際、私はそうしていました。
きっかけは、まったく別の作業だった
その日は、公開されたばかりのアクセス解析用ツールを自社サイトで試していました。12か月分のレポートを作らせようとしたところ、いきなり処理が止まりました。
指定したCVイベントが取得期間内に0件です
CVというのは、問い合わせ完了のような「成果」のことです。それが12か月でゼロだと言われました。おかしいと思って調べると、そもそも問い合わせ完了を記録する設定を入れていませんでした。これが1つ目の発見です。
仕方がないので、成果は後回しにして、訪問者数だけを月ごとに出してみました。そこで2つ目が出てきます。
| 月 | セッション(訪問回数) |
|---|---|
| 2026年1月 | 148 |
| 2026年2月 | 101 |
| 2026年3月 | 96(18日まで) |
| 2026年4月 | 記録なし |
| 2026年5月 | 記録なし |
| 2026年6月 | 記録なし |
| 2026年7月 | 193(17日から) |
| 2026年8月 | 425 |
4月から6月が、丸ごと空でした。ゼロではありません。「記録がない」のです。日ごとに調べ直すと、切れていたのは3月19日から7月16日まででした。
その4か月は、むしろ検索でいちばん見られていた
ここで救いになったのが、Search Console(サーチコンソール)でした。これはGoogle側が持っている検索の記録で、自分のサイトにタグが入っているかどうかと無関係に貯まります。サイト側が止まっていても影響を受けません。
そちらを開いたら、記録が切れていた3か月こそが、この1年で検索にいちばん出ていた時期でした。
| 月 | 検索結果に出た回数 | 平均掲載順位 |
|---|---|---|
| 2026年3月 | 1,629 | 22.2位 |
| 2026年4月 | 5,320 | 10.7位 |
| 2026年5月 | 5,385 | 12.9位 |
| 2026年6月 | 5,230 | 13.5位 |
| 2026年7月 | 3,031 | 24.0位 |
| 2026年8月 | 2,600 | 16.2位 |
アクセス解析だけを見ていたら、この3か月を「まったく人が来なかった時期」と判断していたはずです。実際は逆でした。もし外部に運用を任せていて、この期間のレポートが「アクセス0件」で上がってきていたら、施策の評価を丸ごと間違えるところでした。
原因は、サイトを触った日と重なっていた
記録が戻った7月17日は、サイトにタグの配り先(タグマネージャー)を設置し直した日と一致していました。
アクセス解析は、全ページに入れた短いプログラム(タグと呼びます)が「人が来ました」とGoogleへ知らせることで成り立っています。7月にサイトを全面的に作り替えたとき、このタグを新しい方式で入れ直しました。その日から記録が戻ったということは、それ以前に入れていた古い方のタグが、3月中旬のサイト更新で外れていたと考えるのが自然です。
ただし、当時のファイルは残っていないので断定はできません。ここは正直に「原因は特定できていない」と書いておきます。
【まず確認】自分のサイトが止まっていないか、5分で調べる
作業するのはGA4(アクセス解析)の画面です。難しい設定は触りません。
- GA4を開き、左側のメニューから「レポート」を選ぶ
- 期間を「過去12か月」に広げる
- 月ごとの折れ線を見て、途中でゼロまで落ちている月がないかを確かめる
見るのは、増えたか減ったかではありません。ゼロの月があるかどうかだけです。1か月まるごとゼロなら、季節変動ではなく計測が止まっています。
もう1つ、簡単な見分け方があります。Search Consoleを開いて同じ期間を見てください。片方だけがゼロなら、サイトの計測が止まっています。両方が落ちているなら、本当に人が来ていません。原因がまるで違うので、ここで切り分けられます。
【次にやること】止まったら翌月には気づける状態にする
複雑な監視の仕組みは作りませんでした。自社では、月に一度「前月の訪問回数がゼロでないか」を見るだけにしています。
今回120日も気づかなかったのは、そもそも毎月見ていなかったからです。凝った仕組みを入れても、見ない習慣は変わりません。止まったことに翌月気づければ、損失は1か月分で止まります。それで十分だと判断しました。
サイトを作り替えたり、テーマやプラグインを入れ替えたりした直後は、とくに危ない時期です。工事のあとに一度だけ見る、と決めておくのが確実です。
ついでに見つかった、逆の問題
同じ日に、もう1つ気になる数字が出てきました。こちらは数字が多すぎる側の問題でした。
直近30日のうち、約3割が海外の同じ国から来ていました。ただ、国だけでは判断できません。詳しく見ると、次のような特徴がそろっていました。
- 画面の大きさが全件1280×1200。市販のパソコンにこのサイズはありません
- 90日で206回来て、じっくり読んだ回数はゼロ
- ブログの各ページをきっちり3回ずつ回っている
- 全員が「初めての訪問」。前回の記録を持っていない
人ではなく、プログラムによる自動巡回です。国で丸ごと除外すると本当の閲覧者まで消えてしまうので、この「画面の大きさ」を手がかりに除外しました。
つまり自社サイトの数字は、4か月分が抜けていて、残りは3割ほど水増しされていたことになります。この状態で「先月より増えた・減った」を議論しても意味がありません。
つまずき早見表
| こうなったら | 原因 | どうするか |
|---|---|---|
| 自分でサイトを開いても、リアルタイムの画面に出てこない | ブラウザに広告ブロッカーや計測を止める拡張機能が入っている | 拡張機能を切るか、別のブラウザで確認する。実際に自分の環境がこれで、検証できずに30分ほど悩みました |
| ある月だけ数字が極端に少ない | 途中で計測が止まった可能性 | 日ごとの表示に切り替え、どの日から止まったかを特定する |
| アクセス解析はゼロだが、検索には出ている | サイト側のタグが外れている | タグの設置状況を確認する。サイトを更新した日と照合する |
| 止まっていた期間のデータを取り戻したい | — | 戻りません。過去にさかのぼって記録はできない仕組みです |
| 原因を特定したいがサーバーの記録が無い | アクセスログ(サーバーが残す来訪の記録)の保存が、初期設定で切られている | サーバーの管理画面で保存をオンにする。オンにした日以降しか残りません |
正直に書いておくこと
- 消えたデータは戻りません。4か月分の訪問者の動きは永久に分かりません
- Search Consoleにも期限があります。16か月より前は消えるため、今回も前年との比較はできませんでした
- 原因は特定できていません。時期は一致しましたが、当時のファイルが残っていないため推測です
- この記事の確認方法は、計測が「完全に止まった」場合を見つけるものです。一部のページだけ止まっているような不具合は、これでは見つかりません
要点
- アクセス解析は、警告もエラーも出さずに止まる。グラフは普通に表示され、数字が少ないだけになる
- 止まっているかどうかは、月ごとに「ゼロの月」を探せば5分で分かる。Search Consoleと見比べれば、計測の問題か集客の問題かも切り分けられる
- サイトを作り替えた直後は危ない。工事のあとに一度だけ見る、と決めておく
自社のサイトで4か月分を失ってから書いています。同じ思いをする方が減れば幸いです。数字が合わない、止まっているかもしれない、といったご相談も承っています。