「そろそろ自社でもネットショップを始めたい。でも、Shopifyでお店を作るのに一体いくらかかるのか見当がつかない」——EC(ネット通販)に踏み出そうとする中小企業の経営者や担当者の方から、こうしたご相談をよくいただきます。ホームページ制作と同じで、Shopifyの構築費用も「作り方」によって大きく変わります。数万円で始められる場合もあれば、制作会社に依頼して百万円を超える場合もあり、相場が見えにくいのが正直なところです。
この記事では、Shopifyでお店を立ち上げる3つの方法と、それぞれの費用相場の違いを整理します。ご自身の状況に合った進め方を判断できるよう、専門用語はかみ砕いて解説しますので、予算を考える出発点としてお役立てください。
Shopify構築にかかる費用は「初期費用」と「月額費用」に分かれる
まず押さえておきたいのは、Shopifyの費用には性質の異なる2種類があるという点です。この2つを分けて考えると、全体像がぐっとつかみやすくなります。
- 初期費用(構築費用):お店を作り上げるまでに一度だけかかる費用です。デザインの設定、商品登録、決済や配送の設定などが含まれます。誰が、どこまで作り込むかによって金額が大きく変わる部分です。
- 月額費用(ランニングコスト):お店を運営し続けるあいだ、毎月かかる費用です。Shopify自体の月額利用料に加えて、決済手数料や、機能を追加するアプリの利用料などが積み上がります。
Shopifyの月額利用料はプランによって幅があり、料金は改定されることもあります。契約前には必ず公式サイトで最新の金額をご確認ください。ここで大切なのは、「構築費用の安さ」だけでなく、開店後に毎月いくらかかり続けるのかまで含めて見積もることです。目先の初期費用が抑えられても、運営コストがかさめば長い目では負担が大きくなることもあります。
Shopifyを構築する3つの方法と費用相場
Shopifyでお店を作る方法は、大きく3つに分けられます。それぞれ、かかる費用も、必要な手間や知識も異なります。順に見ていきましょう。なお、ここで挙げる金額はあくまで一般的な目安であり、商品数やデザインのこだわり、必要な機能によって前後する点はご了承ください。
1. 自作する——費用を最小限に抑えたい場合
ご自身、あるいは社内の担当者がShopifyを操作して、一から店舗を作り上げる方法です。Shopifyはもともと、専門知識がなくても扱えるように設計されているため、無料のデザインテンプレートを使えば、月額利用料などのランニングコストだけで開店することも可能です。初期の構築費用としては、数万円以内に収まるケースもあります。
費用を最小限に抑えられる一方で、デザインの調整や商品登録、各種設定にかかる時間と労力は自社で負担することになります。試行錯誤しながら学べる利点はありますが、本業が忙しい中で片手間に進めると、開店までに想像以上の時間がかかることも少なくありません。まずは小さく試したい、商品数が少ない、といった場合に向いた方法だといえます。
2. 有料テンプレートを活用する——見栄えと手間のバランスを取りたい場合
Shopifyには、有料のデザインテンプレート(テーマ)が数多く用意されています。これらを購入して活用すれば、一定の完成度を持ったデザインを比較的短期間で整えられます。テンプレートの購入費用に加え、設定やカスタマイズを一部外部に依頼する場合の費用を合わせると、数十万円程度が一つの目安になります。
ゼロから作るより見栄えが整いやすく、自作より手間を減らせるのが利点です。ただし、テンプレートはあくまで既製品のため、自社の要望に完全に合致するとは限りません。「ここだけは独自に変えたい」という要望が増えるほど、追加のカスタマイズ費用がかさむ傾向があります。デザインにある程度こだわりつつ、コストは抑えたいという場合に検討したい選択肢です。
3. 制作会社に依頼する——本格的に売上を伸ばしたい場合
EC制作を手がける会社に、企画から構築までを任せる方法です。デザインの作り込み、他システムとの連携、購入されやすい導線の設計などを含めて対応してもらえるため、費用は数十万円から、規模や要件によっては百万円を超えることもあります。
費用は最も高くなりますが、その分、自社の商材や販売戦略に合わせた店舗を、手間をかけずに用意できます。開店後の運用や集客まで相談できる会社を選べば、立ち上げからその先までを見据えた土台を築きやすくなります。ある程度の売上規模を目指したい、社内に構築を担える人手がない、といった場合に適した方法です。ECサイトの構築や運用でお悩みの際は、当社のECサイト構築・運用支援でもご相談を承っています。
費用を左右する主なポイント
同じ「制作会社に依頼」でも、金額に幅が出るのはなぜでしょうか。構築費用を大きく動かす要素を知っておくと、見積もりの内容を理解しやすくなり、予算配分の判断にも役立ちます。主なポイントは次のとおりです。
- デザインのこだわり:既製テンプレートをそのまま使うのか、オリジナルで作り込むのかで、費用は大きく変わります。
- 商品数と登録作業:扱う商品が多いほど、写真や説明文の登録作業に手間がかかります。この作業を自社で行うか依頼するかも金額に影響します。
- 追加したい機能:定期購入、会員向け機能、外部システムとの連携などを加えるほど、その分の費用が上乗せされます。
- 開店後のサポート範囲:作って終わりにするか、運用や更新の支援まで含めるかによっても、総額は変わってきます。
見積もりを取る際は、これらの要素について「どこまでを費用に含むのか」を確認すると、会社ごとの金額を正しく比べられます。安さだけで選ぶと、後から必要な作業が別料金で加算され、結果的に割高になることもあるためご注意ください。
自社に合った進め方の選び方
3つの方法のうち、どれが正解ということはありません。大切なのは、自社の状況と目的に照らして選ぶことです。判断の目安として、次のように整理してみてください。
- まず小さく試したい・予算を最小限にしたい → 自作から始める。反応を見てから作り込みを検討する。
- 見栄えは整えたいが、費用は抑えたい → 有料テンプレートを活用し、必要な部分だけ依頼する。
- 本格的に売上を伸ばしたい・社内に人手がない → 制作会社に依頼し、運用まで見据えて相談する。
迷ったときは、いきなり大きく投資するのではなく、「今の自社にとって何が一番の課題か」を書き出してみることをおすすめします。デザインなのか、商品登録の手間なのか、開店後の集客なのか——課題がはっきりすれば、どこに費用をかけるべきかも見えてきます。EC構築の費用は、単なる出費ではなく、売上をつくるための投資です。目的に合った配分を意識することで、限られた予算を活かしやすくなります。
まとめ
Shopifyの構築費用は、「自作」なら数万円以内、「有料テンプレート活用」なら数十万円程度、「制作会社への依頼」なら数十万円から百万円超まで、作り方によって大きく異なります。あわせて、開店後に毎月かかるランニングコストまで含めて見積もることが、後悔しないお店づくりのポイントです。まずは自社の目的と課題を整理し、それに見合った方法を選ぶところから始めてみてください。どの進め方が合うか判断に迷う場合は、専門家に相談しながら方針を固めるのも一つの方法です。
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