Google広告を回していると、月末のレポートを見てこう感じることはないでしょうか。「クリックはそれなりに集まっているのに、問い合わせにつながっていない」「広告費だけが着実に減っていく」。
そのとき、キーワードの入札単価を下げたり、予算そのものを絞ったりして対応する方は多いと思います。ただ、その前に確認しておきたい場所があります。実際にどんな検索語句で広告がクリックされていたかです。ここを見ると、自社のサービスとは関係のない検索で広告が出て、費用だけがかかっていた——というケースが少なくありません。
この記事では、その無駄クリックを抑えるための「除外キーワード」の考え方と、当社が実際に取り組んでいる週次での自動チェックの仕組みをご紹介します。運用代行を依頼していない、自社で広告を触っている方にも実践できる内容にまとめました。
なぜ関係のない検索で広告が表示されるのか
まず前提として、Google広告に登録した「キーワード」と、実際にユーザーが打ち込んだ「検索語句」は別物です。ここを混同していると、無駄クリックの原因が見えなくなります。
キーワードは「条件」、検索語句は「実際の入力」
キーワードには、完全一致・フレーズ一致・部分一致という3つのマッチタイプがあります。このうち部分一致は、登録した語句そのものだけでなく、Googleが「意味が近い」と判断した検索にも広告を出します。関連語や言い換え、さらには関連しそうなテーマまで対象が広がります。
集客の間口を広げられるのが利点ですが、裏を返せば自社が想定していない検索にも広告費を使ってしまうということです。近年は自動入札や自動化された広告タイプの普及により、この「広がり」はさらに大きくなっている印象があります。
よくある「意図の合わない検索語句」
実際の検索語句レポートを開くと、次のようなパターンがよく見つかります。
- 求人・転職を探している人——「〇〇 求人」「〇〇 バイト」。サービスを買いたい人ではありません。
- 無料・自分でやりたい人——「〇〇 無料」「〇〇 自分で」「〇〇 やり方」。情報収集の段階で、発注意向はまだありません。
- 同業他社や関係者——競合社名やツール名での検索。調査目的のクリックが混ざります。
- 意味が違う同音・類似語——業界用語が一般の別の意味と重なっているケース。まったく別の分野の人が来ます。
- 商圏外の地域名——対応エリア外の地名が付いた検索。来ても受注につながりません。
これらは1件あたりで見れば小さな金額です。しかし毎日少しずつ積み重なると、月単位ではまとまった額になります。しかも成果につながらないクリックが増えると、広告全体の反応率も下がりやすくなります。
除外キーワードの基本的な考え方
こうした検索での表示を止める設定が「除外キーワード」です。設定自体は難しくありませんが、いくつか押さえておきたい点があります。
どの単位で除外するかを決める
除外キーワードは、広告グループ単位・キャンペーン単位のほか、複数のキャンペーンで共有できる「除外キーワードリスト」としても登録できます。
おすすめは、どのサービスでも共通して外したい語(求人・無料・やり方など)はリストにまとめ、キャンペーンごとの個別事情はキャンペーン単位で追加するという二段構えです。こうしておくと、新しいキャンペーンを作ったときにリストを適用するだけで、基本的な無駄クリックを最初から抑えられます。
除外にもマッチタイプがあります
見落とされがちですが、除外キーワードにもマッチタイプの考え方があります。通常のキーワードとは挙動が異なり、たとえば除外側では表記ゆれや類似語まで自動で広げてはくれません。「無料」と「むりょう」は別の語として扱われる、といった具合です。
そのため、幅広く止めたい語はフレーズ一致で登録し、ピンポイントで止めたい語は完全一致で登録する、という使い分けが基本になります。除外を広く取りすぎると本来届けたい検索まで止めてしまうため、設定後は表示回数の推移を確認しておきましょう。
やりすぎは機会損失になります
無駄を削る作業は成果が見えやすく、つい熱が入ります。ただ、除外を積み上げすぎると広告が表示される機会そのものが痩せていき、問い合わせ数まで落ちることがあります。
判断に迷う語句は、いきなり除外せず1〜2週間ほど様子を見る。この「保留枠」を持っておくと、削りすぎを防げます。
【事例】週1回の見直しを自動化した運用
ここからは、当社が支援しているBtoB買取サービス業様での取り組みをご紹介します。社名は伏せますが、Google広告で問い合わせを獲得している、比較的検索ボリュームの大きい業種です。
手作業では続かなかった
この案件では当初、担当者が月に1回、検索語句レポートを開いて除外候補を拾っていました。しかし実際にやってみると、これがなかなか続きません。
理由はシンプルで、件数が多いことと、緊急ではないことです。検索語句は毎週新しいものが出てきますし、月に1回では、その間に発生した無駄クリックは止められません。かといって毎週手作業でチェックするには、他の業務との兼ね合いで時間が取れない。結果として後回しになり、気づけば数か月分たまっている——という状態でした。
ルールを決めて、週次で回す
そこで、判断基準をルール化したうえで、週1回の自動チェックに切り替えました。仕組みの中身は次のような考え方です。
- 一定額以上を消化していて、成果がゼロの検索語句を抽出する——「まだ数クリックしかない」語句は判断材料が足りないため対象外にします。ある程度費用を使ったうえで成果が出ていないものだけを候補に上げます。
- 本命キーワードは保護リストに入れる——主力サービスに直結する語句は、たまたまその週に成果が出ていなくても除外候補にしません。ここを守らないと、売上の柱を自分で止めてしまいます。
- 週次で実行し、候補を一覧で通知する——毎週決まったタイミングで動かし、その週の候補をまとめて受け取ります。
- 最終判断は人が行う——自動で除外までは行わず、候補の提示までにとどめています。文脈を読む必要がある語句は、やはり人が見て判断するようにしています。
ポイントは、難しいことをしていない点です。やっていることは、これまで担当者が手作業でしていた「費用を使っているのに成果が出ていない語句を探す」という作業を、決まった基準で機械的に繰り返しているだけです。
変わったのは「判断に使う時間の比率」
この運用に切り替えて実感しているのは、作業時間そのものよりも時間の使い道が変わったことです。
以前は、レポートを開いて眺め、候補を探すところに大半の時間がかかっていました。いまは候補が並んだ状態から始まるので、「この語句は本当に不要か」「この検索意図なら別の訴求で拾えるのではないか」といった判断に時間を使えます。
また、副次的な効果として、除外候補の一覧が市場の変化に気づくきっかけにもなっています。見慣れない検索語句が増えていれば、そこに新しいニーズや競合の動きが表れていることがあるためです。無駄を削る作業のつもりが、次の打ち手を考える材料になっているわけです。
なお、成果の出方は業種・商材・競合状況によって大きく変わります。同じ仕組みを入れれば同じ結果になる、というものではない点はご承知おきください。
自動化しなくても、今日からできること
「スクリプトや自動化はハードルが高い」と感じる方も多いと思います。実際、この取り組みの本質は自動化そのものではなく、判断基準を決めて定期的に見る習慣にあります。手作業でも十分に始められます。
- まず検索語句レポートを開く——管理画面の「分析情報とレポート」から確認できます。直近1か月分を、費用の多い順に並べ替えてください。
- 成果ゼロで費用が出ている語句に印を付ける——上位20〜30件を見るだけでも、たいてい何件かは「これは要らない」というものが見つかります。
- 共通パターンを除外リストにする——「求人」「無料」「やり方」など、どの案件でも共通して外せる語をまとめておきます。
- チェックの日を決めてカレンダーに入れる——毎週金曜の朝15分、といった形で予定として確保します。「気づいたときにやる」では続きません。
- 除外した語句と日付を記録に残す——後から「なぜ止めたのか」を振り返れるようにしておくと、判断のブレがなくなります。
ここまでを回してみて、「毎週の作業が負担になってきた」と感じた段階で自動化を検討する。この順番のほうが、仕組みも自社の実態に合ったものになります。
広告の基本設定そのものを見直したい方はGoogle広告で費用対効果を高める5つの設定を、クリック後の受け皿に不安がある方はコンバージョン率を高めるLPの構成もあわせてご覧ください。
まとめ:削るより、見る習慣をつくる
広告費の無駄は、放っておいて減ることはありません。ただ、減らすために必要なのは高度な知識ではなく、決めた基準で定期的に見ることです。
今日できるのは、検索語句レポートを開いて、費用の大きい順に並べてみることだけで十分です。そこに「これは自社のお客様ではないな」という語句が並んでいれば、それが最初の一歩になります。
そして、その作業が習慣として続かないと感じたときこそ、自動化の出番です。人が判断すべきところに時間を残すために仕組みを使う——広告運用に限らず、業務改善の順番はいつも同じだと考えています。
まずは無料相談から
メディレクションでは、Web制作からAIによる業務効率化まで、中小企業の「売る・採る・回す」を一気通貫でご支援しています。「何から手をつければいいか分からない」という段階のご相談も歓迎です。無料相談はこちらからお気軽にどうぞ。