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「ホームページを補助金で作りたい」と相談されて公募要領を読み直したら、作り始められるのは早くて来年5月だった。持続化補助金とホームページの相性を、制作会社の立場で整理した記録

2026年11月7日
約12分で読めます
山田 祐輔
「ホームページを補助金で作りたい」と相談されて公募要領を読み直したら、作り始められるのは早くて来年5月だった。持続化補助金とホームページの相性を、制作会社の立場で整理した記録

導入

来週、小売店を営む方が事務所に来られます。ご相談の内容は3つ。ホームページの料金、補助金が使えるか、事業計画書をどう書くか。来年から別の市で新しい事業も始めたいそうです。

「ホームページに補助金を使いたい」という相談は、制作会社をやっていると何度も受けます。世の中の記事には「ホームページ制作に使える補助金」が並んでいますし、実際に使える制度もあります。ただ、面談の前に公募要領(国が出している、申請のルールを全部書いた文書)を2本通して読んだら、お客様に最初に伝えるべきことは「使えるかどうか」ではなく「いつ作り始められるか」でした。

結論を先に書きます。いちばん現実的な制度(小規模事業者持続化補助金)を今回の募集で使う場合、ホームページを作り始められるのは早くて2027年4〜5月です。補助金が出るのはホームページ代のうち最大30万円で、しかもホームページだけでは申請できません。この3点を知らずに面談に入ると、「じゃあ補助金で」と話が進んだあとで半年止まります。

この記事は、公募要領のどこにそれが書いてあるかと、それを踏まえてお客様にどう聞くことにしたかの記録です。

きっかけ

相談の連絡はこうでした。「ホームページを作りたい。補助金が使えるなら使いたい。事業計画書も相談したい」。

ホームページの料金はすぐ答えられます。当社の料金はサイトに公開していて、ホームページは20万円からです。問題は補助金のほうでした。自分の中にも「ホームページなら持続化補助金」という知識はあります。ただ、お客様に「使えますよ」と言うなら、今回の募集の締切と条件を自分の目で確かめてからにしたい。前に別の案件で、二次情報(誰かがまとめた記事)を信じて書いた数字が古くて、恥をかいたことがあるからです。

それで、面談の1週間前に公募要領を読むことにしました。一般型が44ページ、新しく創業した人向けの創業型が37ページです。

最初に:登場する制度と窓口を整理

ホームページに関係する補助金の話で、読者の方が迷うのは「どの制度の、どの回の話をしているか」です。今回の相談で見たのは次の3つでした。

  1. 小規模事業者持続化補助金〈一般型〉。従業員5人以下の商業・サービス業(製造業などは20人以下)が対象です。販路開拓、つまり売上を増やすための取り組みに使えます。ホームページはここに入ります。
  2. 同じ補助金の〈創業型〉。創業から1年以内の方が対象で、上限が一般型より大きいです。
  3. 市の創業支援の補助金。事務所や店舗の家賃が対象で、ホームページ代は対象外でした。

申請の窓口は、お店の所在地を管轄する商工会議所(または商工会)です。制作会社ではありません。ここは後で効いてきます。

覚える言葉は3つだけ

  • 公募要領。申請のルールを全部書いた文書です。補助金のサイトからPDFで読めます。まとめ記事ではなく、これが正本です。
  • 採択。申請した計画が「補助の対象として選ばれた」という発表です。この時点ではまだお金は出ません。
  • 交付決定。採択のあと、見積書などを出して「この金額で補助します」と正式に決まることです。ホームページの発注は、この日より後でないと補助の対象になりません。

公募要領で分かったこと

1. 作り始められるのは、早くて来年の4〜5月

今回(第20回)の日程は公募要領に次のとおり書いてあります。

項目日付
申請受付2026年11月5日(木)〜12月15日(火)17:00
商工会議所が出す書類(様式4)の発行受付締切2026年12月4日(金)
採択発表2027年3月頃(予定)
交付決定採択発表から概ね1〜2か月(公募要領の注記)

そして、交付決定より前に発注・契約・購入・支払いをしたものは補助の対象外、と明記されています。前払いも含みます。

11月に相談しても発注できるのは来年4〜5月

つまり、11月に相談を受けて12月に申請しても、ホームページの制作を発注できるのは2027年4〜5月です。そこから制作に6週間ほどかかりますから、公開は初夏になります。お客様が「来年の春に新しい事業を始めるので、それまでにホームページが欲しい」と考えているなら、補助金とは日程が合いません。

2. 補助金が出るのは、ホームページ代のうち最大30万円

補助率は3分の2、上限は50万円(条件により上乗せあり)です。ここまでは多くの記事に書いてあります。

公募要領には、経費の種類ごとに追加のルールがあります。ホームページは「ウェブサイト関連費」という区分で、この区分だけでは申請できず、補助金の申請額は30万円(税込)が上限です。

3分の2で30万円ということは、ホームページ代が45万円(税込)のときに補助が30万円、自己負担が15万円です。ホームページ代が60万円でも補助は30万円のままで、自己負担が30万円になります。「上限50万円」の数字だけ見て「50万円のホームページを作れば自己負担は17万円」と計算すると、ずれます。

補助金が出るのはホームページ代のうち最大30万円

3. ホームページだけでは申請できない

同じ場所に「ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。必ず、ほかの経費と一緒に申請してください」とあります。

ほかの経費とは、チラシ・看板・DM・インターネット広告(広報費)や、展示会の出展費などです。なお広報費にも同じく「単独では申請不可・上限30万円」の制限があります。実務としては「ホームページ+チラシ」「ホームページ+看板」のように、ホームページを売上につなげる計画全体で申請することになります。

逆に言えば、「開店に合わせてホームページと看板とチラシを揃えたい」という方には、この補助金はきれいに合います。

4. 商工会議所に行く締切は、申請締切より11日早い

申請には、商工会議所が発行する「事業支援計画書(様式4)」が要ります。この発行受付の締切が12月4日で、申請締切の12月15日より11日早い。しかも「受付締切以降の発行依頼は、いかなる理由があってもできません」と書かれています。

発行は、商工会議所の経営指導員と計画の中身を詰めてから出るものです。締切の前日に初めて窓口に行って、その場で発行してもらえる書類ではありません。11月上旬に相談を受けた場合、今回の募集に間に合わせるのは日程的に厳しい、というのが読んだ上での判断でした。

5. 新しい事業には〈創業型〉があるが、順番がある

来年から別の事業を始める、という話があったので創業型も読みました。上限は200万円と大きいです。ただ要件が厳しく、「市が認定した創業支援(セミナーや相談)を受けた日」と「開業日(法人は設立日)」の両方が、公募締切から過去1年の間にあることが必要です。

来年開業するなら、今回の募集では申請できません。狙うなら「先に市の創業支援を受ける → 新しい事業を新規開業(または新しい法人)として立ち上げる → その後の募集で申請する」の順番になります。すでにある個人事業に屋号を1つ足すだけでは「開業日」が新しく立たない可能性が高く、ここは商工会議所に確認してから答える、と決めました。

読んだ結果、面談でこう聞くことにした

面談で最初に聞くのは「いつ欲しいか」

公募要領を読む前は「補助金、使えますよ」と答えるつもりでした。読んだ後は、最初に日程を聞くことに変えました。お客様に選んでもらうのは次の2つです。

  • ホームページが今すぐ欲しい:補助金は使わず、このまま進める。公開は年内から年明け。
  • 半年待てる:今回か次回の募集に申請し、交付決定(来年4〜5月以降)を待ってから発注する。ホームページだけでなく、チラシや看板と一緒に計画する。

どちらを選ぶかは、お客様の事業の都合で決まります。当社が決めることではありません。制作会社の役割は、2つの道の日程と自己負担額を正直に並べることと、申請書の「販促・集客」の欄に入れる数字(ホームページ・地図検索・LINEの費用と見込み)を出すことだと整理しました。申請書そのものは、商工会議所の経営指導員と無料で作れます。当社は代筆も申請代行もしません。

つまずき早見表

起きること原因対処
「補助金で作る」と決めたあとに半年止まる交付決定前の発注が対象外最初に「今すぐ」か「待てる」かを決める
自己負担が思ったより多いウェブサイト関連費の補助は上限30万円45万円を超える分は全額自己負担と伝える
申請が受理されないホームページだけの申請は不可チラシ・看板・DMなどと組む
商工会議所で書類が出ない様式4の発行締切は申請締切の11日前相談は募集開始の直後に行く
創業型が使えない創業支援を受けた日と開業日の両方が1年以内先に市の創業支援を受け、新規開業の形にする
公開が間に合わず対象外になる補助事業期間内に運用に至らないホームページは対象外第20回は2028年3月31日までに公開と支払いを終える

確認方法

自分の案件で同じことを確かめるには、公募要領の次の場所を見てください。回が変わると日付も条件も変わるので、必ず自分が申請する回のものを開きます。

  • 冒頭の「公募スケジュール」:受付開始・締切・様式4の締切・採択発表の時期。
  • 「補助率、補助上限額等」:3分の2と上限50万円、上乗せの条件。
  • 「補助対象経費」の「ウェブサイト関連費」:単独申請不可と、上限30万円(税込)。
  • 「補助対象外」の一覧:交付決定前の発注・契約・支払いが対象外であること。
  • 末尾の表「補助事業実施期間」:いつまでに終わらせるか。

PDFの中を「ウェブサイト関連費」で検索すれば、該当箇所は2分で見つかります。

正直に書いておくこと

  • この記事は2026年11月5日に始まった第20回の公募要領(第7版)を読んだものです。次の回では条件が変わる可能性があります。
  • 採択されるかどうかは、当社には分かりませんし、保証もできません。申請の可否は商工会議所の判断です。
  • 公募要領には、ホームページに関するコンサルティング費用や、すでに使っているソフトの更新料は対象外とも書かれています。公開後の毎月の運用サポート費も対象になりません。
  • 50万円(税抜)以上で作ったホームページは「処分制限財産」になり、原則5年間、勝手に譲渡や廃棄ができません。普通に運用する分には影響しませんが、知らずに契約すると驚きます。
  • 面談はこれからです。お客様がどちらを選ばれたか、創業型の「開業日」の扱いを商工会議所がどう答えたかは、分かり次第この記事に追記します。

要点3行

  • 持続化補助金でホームページを作る場合、発注できるのは交付決定の後。今回の募集なら2027年4〜5月以降です。
  • 補助はホームページ代のうち最大30万円で、ホームページだけでは申請できません。チラシや看板と組みます。
  • 制作会社に聞かれたら、「使えるか」より先に「今すぐ欲しいか、半年待てるか」を答えると話が早いです。

ホームページ制作のご相談は、補助金の有無にかかわらず無料で受けています。枚方市・交野市のホームページ制作についてはこちらをご覧ください。

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