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Google広告の「自動適用」をオンにしていたら、1日で81個のキーワードが勝手に増えていた。獲得単価が6倍になるまでの記録

2026年11月2日
約10分で読めます
山田 祐輔
Google広告の「自動適用」をオンにしていたら、1日で81個のキーワードが勝手に増えていた。獲得単価が6倍になるまでの記録

水道修理会社のGoogle広告を運用しています。2026年6月まで、1件の問い合わせ(電話)を約7,000円で取れていました。それが7月に入って、1件41,578円になりました。約6倍です。

原因を追うと、Google広告の「最適化案の自動適用」という設定がオンになっていて、6月11日に81個のキーワードが勝手に追加されていました。この記事は、その事故と、止血したあとに自分が打った応急処置が裏目に出た話、そして11月に再開するときに立ち上げ方を変えた記録です。

広告を代理店や自社で回している方が、今日アカウントを開いて確認できる設定を3つ、最後にまとめます。

きっかけ

このアカウントは、夜間の「水道 つまり」「水漏れ」といった検索に広告を出し、電話で受注する作りです。成果は電話ボタンのタップ数で数えています。

健全なときの数字は次のとおりでした。

指標2026年6月(健全時)
問い合わせ(電話)数41件/月
クリックが問い合わせになる率約18%
1件あたりの獲得単価7,397円
1クリックの単価1,330円

7月に入って、同じ日予算のまま、問い合わせがぱたりと止まりました。7月17日時点で4件。獲得単価は41,578円でした。

最初に:Google広告の「自動適用」とは何か

Google広告には「最適化案」という機能があります。「このキーワードを追加しましょう」「この広告文を足しましょう」と、Googleが提案してくれるものです。提案だけなら便利です。

問題は、その提案を人が確認せずに自動で反映する設定があることです。これが「自動適用」です。種類は21種類あり、1つずつオン・オフを選べます。このアカウントでは、「キーワードの追加」を含む複数がオンになっていました。

用語は3つだけ

  • キーワード:どんな検索語で広告を出すかの指定です。「水道 つまり」など。
  • マッチタイプ:キーワードをどこまで広く解釈するかの設定です。狭いほうから「完全一致」「フレーズ一致」、いちばん広い「インテントマッチ」があります。広いほど、関係の薄い検索にも広告が出ます。
  • 入札戦略:Googleに「何を最優先に広告を出すか」を伝える設定です。「クリック数を増やす」「問い合わせ数を増やす」など。

手順0:何が起きていたかを調べる【Google広告の変更履歴】

獲得単価が6倍になるまでと戻すまでの時系列

Google広告には「変更履歴」という画面があり、誰が・いつ・何を変えたかが残ります。ここを6月まで遡って見ました。

日付変更件数
6月11日キーワード追加(自動適用)81件
6月12日キーワード追加(自動適用)1件
7月4日キーワード追加(自動適用)3件

追加されたのは、いずれも「インテントマッチ」という、いちばん広い解釈のキーワードでした。たとえば「水のトラブル」のような、修理の依頼とは限らない検索語です。

結果、7月頭は広告費の8割超が、問い合わせにつながらないクリックに消えていました。クリックが問い合わせになる率は18%から2%に落ちました。

もう1つ、見逃せない副作用がありました。関係の薄いクリックが増えたことで、主力キーワード「水道 つまり」の品質評価が下がり、1クリックの単価が2,009円に上がっていました。健全時の1.5倍です。

手順1:止血する【Google広告の管理画面】

7月7日に、次の3つをやりました。

  1. 自動適用の21種類を、すべてオフにする
  2. 6月11日・12日・7月4日に自動追加されたキーワードを、変更履歴から全部取り消す
  3. 関係の薄いクリックを集めていた「水のトラブル」系の広いキーワードを一時停止する

ここまでは正しい止血でした。問題はこのあとです。

手順2:応急処置が裏目に出る【入札戦略】

止血と同時に、「とにかく無駄なクリックを減らしたい」と考えて、入札戦略を「問い合わせ数の最大化」から「クリック数の最大化(1クリック上限1,000円)」に変えていました。

これが裏目に出ました。7月8日から17日までの10日間、問い合わせは2件のまま。クリックは1日14回から19回に増えたのに、問い合わせは増えませんでした。

理由はあとから分かりました。「クリック数の最大化」は、問い合わせになるかどうかを一切見ずに、安いクリックを集める設定です。無駄を減らすつもりで、無駄を買いに行く設定にしていたことになります。さらに、手順1の3で止めた広いキーワードは、年間で169件の問い合わせを運んでいた主力でもありました。止めたことで、母数そのものが枯れていました。

7月17日に、入札戦略を「問い合わせ数の最大化」に戻し、主力キーワードを少額で再開しました。それでも7月の数字は戻り切らず、8月にいったん広告を止める判断をしました。

手順3:もう1つの教訓、「何を成果に数えるか」

この案件では以前、LINEの友だち追加も成果に数えていた時期がありました。

すると、Googleは「安く取れる成果」を優先します。LINEのタップは電話より気軽なので、安く大量に取れます。結果、広告はLINEのタップばかりを追いかけ、実際の受注につながる電話の最適化が壊れました。受注1件あたりの単価は、見かけの数字と裏腹に悪化しました。

いまは、成果に数えるのは電話のタップ1種類だけにしています。LINEやフォームは数字として見るだけで、Googleの最適化には使いません。「成果が増えた」と「受注が増えた」は別物です。

手順4:11月に再開する。立ち上げ方を変えた【新しいキャンペーン】

11月1日から、日予算4,000円の少額で再開しました。ここでも1つ、つまずきました。

初日、表示回数が0でした。診断画面には「広告ランクが低い」と出ていました。

原因は、新しいキャンペーンを最初から「問い合わせ数の最大化」で始めたことです。この設定は、過去の問い合わせデータを学習の材料にします。新しいキャンペーンには材料がないので、Googleが入札を弱め、そもそも表示されませんでした。

対応は、立ち上げの入札戦略を「クリック数の最大化(1クリック上限1,200円)」に変えることでした。7月に裏目に出た設定と同じ名前ですが、使いどころが違います。履歴がない立ち上げ期に、まず表示とクリックを作るために使い、問い合わせが20件ほどたまったら「問い合わせ数の最大化」に切り替えます。7月は、履歴があるアカウントの事故対応で使ったのが間違いでした。

つまずき早見表

起きたこと原因どうしたか
獲得単価が約6倍に自動適用で広いキーワードが81件追加された自動適用を全オフ、追加分を変更履歴から取り消し
止血後10日間、問い合わせが戻らない入札を「クリック数の最大化」に変えていた/主力キーワードを止めていた「問い合わせ数の最大化」に戻し、主力を少額で再開
成果は増えたのに受注が増えないLINEのタップを成果に数えていた成果は電話のタップ1種類だけに
再開初日、表示0履歴のないキャンペーンで「問い合わせ数の最大化」を使った立ち上げは「クリック数の最大化+上限単価」、20件たまったら切り替え

確認方法:今日、自分のアカウントで見る3つの設定

今日アカウントで見る3つの設定

広告を代理店に任せている方も、ログインできるなら自分で見られます。

  1. 自動適用がオンになっていないか:左メニューの「最適化案」→右上の「自動適用」。オンの項目があれば、何がオンかを代理店に聞く。「キーワードの追加」がオンなら、要注意です。
  2. 成果(コンバージョン)に何を数えているか:「目標」→「コンバージョン」。電話・フォーム・LINEなど、受注につながる行動だけが数えられているかを見る。
  3. 入札戦略が何か:キャンペーンの「設定」→「入札」。「クリック数の最大化」のまま長く運用されていたら、問い合わせを見ていない可能性があります。

3つとも、画面を開いて読むだけです。変更は代理店と相談してからにしてください。

正直に書いておくこと

  • 自動適用そのものが悪い機能ではありません。広告文の改善など、害の少ない項目もあります。ただ、キーワードの追加は広告費の使い道を直接変えるので、人が見てから反映すべきだと考えています。
  • 7月の応急処置の判断は、こちらの誤りです。「無駄なクリックを減らす」つもりで選んだ設定が、逆の働きをしました。設定の名前と実際の挙動は違う、ということを身をもって学びました。
  • 11月の再開は始まったばかりで、結果はまだ出ていません。問い合わせが20件たまって切り替えたあとの数字は、改めて書きます。

要点3行

  • Google広告の「自動適用」は、人が確認せずにキーワードを足す。1日で81件増え、獲得単価が7,397円から41,578円になった
  • 止血のあとの「クリック数の最大化」は、問い合わせを見ない設定。履歴のあるアカウントで使うと、安いクリックだけを買う
  • 成果に数えるのは受注につながる行動だけ。LINEのタップを混ぜると、Googleはそちらばかり追いかける
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YUSUKE YAMADA
代表取締役 / LINE業務管理・AI業務改善・ホームページ制作
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事業歴
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大阪府枚方市を拠点に、中小企業・個人事業主の「業務改善」と「集客」を仕組みから支援。電話メモ・日報・予約を社員が毎日使うLINEにまとめる業務管理システムの構築と、ホームページ・ECサイトの制作から公開後の集客・運用まで、ひとつの窓口で担当。2022年の個人開業を経て2024年1月に法人化。
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